研究課題/領域番号 |
25820283
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
住吉 大輔 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 助教 (60432829)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 空調システム / 搬送系 / 省エネルギー / 設計法 / 配管統合 / ポンプ容量 |
研究概要 |
当初の計画では、以下の4つのSTEPを今年度の課題としていた。STEP1:シミュレーションモデルの構築、STEP2:実測データの収集、STEP3:シミュレーション精度の検証、STEP4:配管統合のケーススタディの4つのSTEPである。本年度の研究ではこれらの4つのSTEPのうちSTEP3を除いて達成できた。さらに次年度に予定していたSTEP5:負荷率分布を予測する手法の検討について一部を実施した。各STEPの具体の実施状況を以下に説明する。 STEP1については、まず配管内の流量と圧力の計算を行う計算モデルの整理を行った。従来から当研究室で整備している空調システムのシミュレーションモデルに整理した圧力・流量計算モデルを組み込んだ。対象建物として、北海道にある商業施設、大阪にある複合ビルの2件を対象とした。STEP2については、研究協力者の協力を得て北海道にある商業施設、大阪にある複合ビル、滋賀の大学施設、京都の商業施設、京都の高校施設について空調システム図面および実測データを入手できている。このうち、滋賀の大学施設、京都の商業施設、京都の高校施設については配管内の圧力データも取れており、今後これらのモデル化を順次行っていく。 STEP3については先行してモデル化した北海道にある商業施設、大阪にある複合ビルでの圧力測定データが得られなかったため、検証が進まなかった。今後他の建物をモデル化し、導入した圧力・流量計算モデルの精度検証を進める。STEP4については、大阪にある複合ビルを対象としたシミュレーションにおいて熱交換器4台の配管を統合した場合の計算を行い最大16.5%搬送動力を削減できることを確認した。 STEP5について、実際の3件の建物の負荷率分布を整理すると共に、今後の分析に必要な標準的な負荷率分布の作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シミュレーション精度の検証について課題が残るものの当初予定していたケーススタディまでを実施できた。さらに次年度実施予定であった負荷率分布の整理を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度と同様に次年度も当初計画に基づいて検討を進める。次年度は、ケーススタディを更に進め配管設計法に落とし込む作業となる。配管やポンプサイズを変えてケーススタディを実施し、流量負荷分布と適切な配管サイズ・ポンプ容量との関係を整理する。流量負荷分布と年間のエネルギー消費量の関係についてもまとめ、エネルギー消費量の推計法とする。 また、本年度の研究成果について学会発表等を行う。 最終年度は、構築した設計法の実用性に関する実務者へのヒアリングとそれを受けた設計法の見直しを予定している。構築した配管設計法に基づいてヒアリングの計画等を作成し、実用的な設計法となるよう工夫する。
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