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2013 年度 実施状況報告書

地区の景観特性を審査基準とする豪州の歴史的景観保全制度の運用実態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25820293
研究種目

若手研究(B)

研究機関長崎大学

研究代表者

今村 洋一  長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00568404)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード景観・環境計画 / 景観保全 / オーストラリア / シドニー / メルボルン
研究概要

本年度はシドニー市の歴史的景観保全制度について、2012年に改定された地域環境計画(Local Environmental Plan)と開発規制計画(Development Control Plan)のうち、歴史的景観保全に係る部分を整理するとともに、歴史的景観保全地区(Conservation Area)として指定されている区域を示すマップを作成した。数年に1度のLEPの見直しに合わせ、新たな保全地区の追加指定、既存保全地区の区域の変更が行われている。保全地区の分布をみると、空白地帯は、高層建築の林立するCBDと南部の工場集積地くらいで、19世紀後半~20世紀初頭に開発された郊外住宅地の多くが、保全地区に指定されていることが分かった。また、保全地区内での新増改築は、基礎自治体による許可制であり、地区の特性への影響が、アセスメントレポートあるいは保全管理計画書(Heritage Conservation Management Plan)を通して審査される。DCP2012において、保全地区内の建造物(空地は除く)は、地区の特性への貢献度合いから、敷地単位で貢献建造物(Contributory building)、中立的建造物(Neutral building)、阻害建造物(Detracting building)に分類され、それぞれに建築規定が定められている。
さらに現地調査をおこない、実際に開発提案がなされている案件の状況を把握するとともに、シドニー市の都市計画部局にて、ヒアリング調査及びケーススタディ候補の案件についての資料提供を受けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、ニューサウスウェールズ州については、シドニー市のほか、ウラーラ市、ノースシドニー市についても調査を進める予定であったが、現状はシドニー市に注力している状況である。

今後の研究の推進方策

資料収集や運用実態に関する情報収集に非常に手間がかかっている。内部資料も必要であり、市担当者との信頼関係を築けるかどうかが研究の進捗に関わる。シドニー市については、これまでの経緯もあり、非常に充実した資料収集ができており、今後も市担当者へのヒアリング調査を重ねることで運用実態の解明ができそうなので、敢えて他の都市にまで事例調査対象を広げるかどうか、再検討したい。

次年度の研究費の使用計画

シドニー市、ウラーラ市、ノースシドニー市を想定していた現地調査が、シドニー市だけにとどまっていることもあり、調査旅費支出の面で次年度使用額が生じた。
次年度はメルボルン市、ヤラ市、ポートフィリップ市といったビクトリア州の各自治体における歴史的景観保全制度を調査することにしているが、シドニー市等のニューサウスウェールズ州の補足調査など、今年度分のフォローを予定している。

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公開日: 2015-05-28  

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