本研究は、シドニー及びメルボルンを対象として、豪州の歴史的景観保全制度の特徴や運用上の課題を明らかにすることを目的としている。 シドニーでは、保全地区内の建造物が地区特性への貢献度合いから3分類されて、それぞれに規定が定められているほか、建築材料や公共空間の景観構成要素に関する規定もあることが分かった。 メルボルンでは、事前に明示された保全すべき価値を考慮することとなっており、個別に詳細な検討が可能であること、建築様式が揃っている郊外部では、建造物のグレードや町並みのレベルに応じて、方針や規制内容がある程度定形化されていることが分かった。
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