本研究は、兵庫県西宮市浜甲子園住宅地を対象に、その空間的社会的変容による多様化、混在化の実態を明らかにし、住環境の単純な「維持」ではない戸建て住宅地の成熟・持続的な居住の特徴を明らかにすることを目的とする。主な知見は以下である。(1)空間的には、敷地維持の住宅と細分化の住宅の混在による画一的な空間・住環境から多様なものへの変化、(2)敷地維持の住宅での親世代からの継続居住と細分化の敷地への若い世帯の流入による社会的な多様性の可能性、(3)持続的な居住に対する空間的社会的にも中心的な存在である維持・継承と多様性を生み出す計画の中の非計画な要素を持ち込む変化の両方の必要性とその関係の重要性。
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