研究課題/領域番号 |
25820306
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
内田 奈芳美 埼玉大学, 経済学部, 准教授 (10424798)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | まちづくり / コミュニティ / 空洞化 / 地域マネジメント |
研究実績の概要 |
本年度は概念整理のためのデータ整理、及び石川県金沢市・中野区沼袋での調査を中心に研究を行った。全体的概念整理としては地方都市の「半開放」的開発の実態、及び地方都市振興のための施策の歴史、ジェントリフィケーションなどの「半開放」的概念の欧米における議論の整理を行った。その上で、アクションリサーチと結びつけて分析することを進めるための基礎的概念整理を行った。 実践の面では、まず第一に金沢市では、昨年度から引き続き、まちづくりでのアクションリサーチとして新幹線前後のまちづくりについての議論に参加し、空洞化と開発圧力に対する方策を議論した。また、地域でのまちづくりの実践活動に参画し、そこでのコミュニティに生じる課題についてアクションリサーチを行った。また同時に、「半開放」の実態として、土地利用・土地所有の変化や空洞化、また、外部からの流入による小さな開発圧力についての現地調査を行い、データベース化した。その成果は論文としてまとめるところである。さらに、まちづくりのキーマンに対するインタビュー調査の成果は地元との協働のもと、整理し、まとめる段階にある。中野区沼袋では長年のアクションリサーチを継続し、まちづくりのルールづくりのためのワークショップの開催を行い、事業計画後のための耐力モデルとしての課題を整理した。地域マネジメントのための主体づくりについての検討は継続して行っているところである。 今後は概念として整理した理念的背景と、アクションリサーチや現地調査によって明らかになった実態について、結びつけて論じていくことを進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
金沢に関しては地域との連携も強力であり、アクションリサーチによる調査、及び空洞化の実態調査も予定通り進んでいる。沼袋地域については、地域との協働はこれまでの蓄積からかっちりと進んでいるが、ルールづくりや主体形成など、まだまだ議論をつくさなければならない視点が多く、これからもアクションリサーチとして主体のあり方、地域マネジメントのあり方について明らかにしていくことを進めていかなくてはならない。その他の地域については、今年度所属機関の変更があったことによって、地域との連携体制が途切れてしまった。そのため、金沢・沼袋に注力することとなったが、研究目的から、もう一軸としての比較対象が必要では無いかと考えるところである。
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今後の研究の推進方策 |
金沢・沼袋については、このまま地域との連携を強固に保ち、アクションリサーチと実態調査を進めていきたい。それ以外は所属機関の変更によって地域と連携した調査が困難になった地域があることから、できるかぎりもう一軸として比較できる地域を選定し、全体の論をまとめる上での調査対象としたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が少額であったため、無理に使い切ることなく、翌年度効果的に活用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き現地調査、文献調査において活用していく。
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