現在の日本の土地所有の一つの起源に戦災復興期の大土地所有の解体がある。農村部の農地改革に対し、1946年の財産税や金融緊急措置令、当時の戦後改革の風潮などにより都市部の大土地所有者は土地を手放し敷地は細分化していく。この時期の都市空間形成に影響力を持ったのは公的主体や民間ディベロッパーではなく一般の人々、とくに東京・山の手では借地人を中心とする商店街などの自営業者層であった。それはペンシルビル群からなる戦後日本独特の景観にもつながっていく。本研究はこの間の実態を新宿・歌舞伎町の戦災復興土地区画整理事業を題材に解明した。また、ニューヨークにおける1920年代の高層ビル建設過程と比較考察を行った。
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