本年度の研究成果は以下の通りまとめられる。 ①イギリス植民都市に営まれた洋式産業施設とインフラストラクチャーについて、当時のイギリスで出版された技術英雑誌から情報の収集を継続した。特に今年度は、今後の研究テーマに備え、当時の植民地で出版された英字新聞からの情報収集にも着手した。 ②造幣局の建築について、昨年度までの研究結果を整理し、研究会にて口頭報告をした。前面に事務所棟を置き、背後に生産部門を置くという配置計画の特徴とその背景について明快に整理することができた。 ③造船施設(ドライドック、スリップウェイ)について、これまでの研究結果を整理、国際的な視点から考察し、国際会議でペーパーの執筆と発表を行った。また、スリップウェイについて考察した論文がイギリスの建設史学会誌(Construction History)に掲載された。 ④製糖工場について、昨年度までの研究成果を整理し、研究会等において口頭発表した。粗糖工場、精製糖工場とも、当時のイギリスで出版された技術書の事例や東南アジアの工場とよく似た形態であることが確かめられた。 ⑤本研究に隣接した課題である、お雇い外国人について、いくつか調査研究を行い、論文を執筆した。
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