研究課題/領域番号 |
25820319
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
番 光 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (00463448)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 大工道具の名称 |
研究概要 |
本研究は、大工道具および建築部材の加工痕跡について、調査・資料収集をおこない、その比較検討をおこない、近世以前の木造建築および部材加工技術の特質についてあきらかにしようとするものである。研究初年度にあたる平成25年度は、大工道具および建築部材の加工痕跡にかんする資料の収集、および大工道具の資料見学をおこなった。 大工道具にかんする資料収集は、建築および民家にかんする辞典類(『建築大辞典』、『日本建築辞彙』、『日本民家語彙集解』)から大工道具の名称の収集をおこなった。建築部材の加工痕跡にかんする資料収集は、奈良県内でおこなわれた歴史的建造物の修理工事報告書より、技法調査において、各部材の加工痕跡および道具が判明するものを収集した。 大工道具の資料見学では、平成22年に実測調査をおこなった木奥家所蔵大工道具について、大工道具の種類・名称について再検討をおこなった。既調査では名称が確定できていなかった5点について、道具の用途と名称をあきらかにすることができた。道具は定型化されたものと、作業や部材寸法に合わせて現場で製造・改造したものがあり、後者は名称の確定が難しいが、実際の造営技術についてより具体的に迫れる可能性がある。 次年度以降は、大工道具の実測調査をおこなう予定である。平成25年度の作業は本研究の基礎データの集約を目的としており、次年度以降の調査研究の準備作業に位置づけられる。 また、大工の使用していた道具の一括資料には大工道具以外の木工具、製材用の道具が含まれてはる場合がままある。道具の種類・名称、および資料の年代を検討するため、これらについても調査対象とする必要がでてきたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度に予定していた実測調査が平成26年度に延期されたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は平成25年度に実施できなかった日本国内の大工道具一括資料と、当初から予定していた実測調査を実施する予定であり、実測調査に向けた準備は平成25年度から進行中である。 また、本研究の調査対象は近世以前の大工道具であるが、道具の種類・名称や年代を検討するうえで、大工道具以外の木工具や製材用の道具、および近代以降の大工道具についても調査研究をおこなう必要がでてきており、これらについても調査対象に加えていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた資料調査を次年度に延期したため。 当初平成25年度に予定していた資料調査を平成26年度にあわせて実施する。
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