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2013 年度 実施状況報告書

金属ナノ粒子層構造の誘電モデルと発色現象の相関

研究課題

研究課題/領域番号 25820326
研究種目

若手研究(B)

研究機関地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

研究代表者

海老澤 瑞枝  地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, その他部局等, 研究員 (00510893)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード金属物性 / ナノ材料 / 解析・評価 / 光物性
研究概要

金属ナノ粒子が凝集した表層では,金属ナノ粒子単体での共鳴や微粒子間における電場の相互作用や散乱など複雑な光学現象の組み合わせによって,もとの金属材料とは異なるユニークな色を発する.このような発色現象を解明するために,1年目は金属表面の物理的特性の分析と発色現象の定量化を行い,実験結果をもとに誘電モデルを検討した.また,開始時の予定にはなかったが,研究の過程で非常に簡便な手法で作成した微粒子層構造の光電効果を見出した.具体的には,100nm以下の銀ナノ粒子層構造と硫化銀粒子層構造について,誘電モデルの検討を行い,強い吸収をもつ微粒子層と基板と一体と仮定する擬誘電関数と薄膜と基板からなるモデルを比較した.いずれのモデルも分光反射率(発色)での比較では有効であったが,今後はより詳細な光・電気的特性に注目し両モデルの比較を行い妥当性と有効範囲を明らかにする.また,塗装技術にも応用される銀鏡反応によって成膜したガラス基板上の銀ナノ粒子層を硫化させることでできた可視光で約40%の光透過性をもつ20nm程度の硫化銀薄膜において光電効果を確認した.白色LEDを光源とし,印加する矩形電圧信号の振幅およびデューティ比を変化させ,光照射のON/OFFに応じた硫化銀膜の抵抗の変化を検出したところ,光源への印加電圧の変化に追従して硫化銀膜の抵抗値が変化した.硫化銀の熱による抵抗値の変化は古くから知られているが,上記の光照射による抵抗値の変化は温度変化による変化よりも大きく,硫化銀薄膜への光・熱照射に対する導電性の変化は,可視光の吸収によって価電帯から伝導体に励起されキャリアが増加する内部光電効果と熱励起によるキャリアの増加によるものと考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

金属微粒子層構造の分析がやや遅れているが,これは当初1年目の実施予定になかった金属微粒子構造の光電効果の検討を行ったためである.

今後の研究の推進方策

やや遅れている金属微粒子層構造の物理的特性の分析を行い,これまでに構築した誘電モデルを用いて,発色現象(分光反射率)についてモデルから得られる解析値と実験値と比較し,モデルのパラメータと表面の物理的特性(粒形,層厚,酸化膜など)を対応付ける.さらに,電磁場シミュレーションによる微視的な分極状態の考察と実験の両面から,モデルの妥当性を担保する.また,他の金属についても同様にモデルの有効性を検証する.以上から,微粒子層構造の誘電モデルと発色現象の相関を明らかにする.

次年度の研究費の使用計画

微粒子層構造の分析の外注を予定していた分の未使用と過去に購入した光学素子や計測装置などを活用した結果,次年度使用額が発生した.
初年度に見出した光電効果をもつ微粒子層構造をもつ薄膜の作製のための材料および実験装置の購入を予定している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 銀の発色現象と光電センサ応用への試み2013

    • 著者名/発表者名
      海老澤瑞枝,横田浩之
    • 学会等名
      Optics & Photonics Japan 2013 (日本光学会)
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      20131112-20131114

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公開日: 2015-05-28  

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