研究課題/領域番号 |
25820330
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
三浦 章 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (10603201)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 低温反応 / 窒化物 / 機能性材料 / ナノ材料 |
研究概要 |
本研究では、アンモニア使用量の低減と反応温度の低下を可能にする環境にやさしい次世代の窒化物の新規低温合成法を開発し、その新規技術を基盤とした機能性材料の創生を研究目標としている。平成25年度は、酸化インジウム、酸化鉄、酸化マンガンの窒化処理及びその反応メカニズムの解明を進め、以下の研究成果を上げた。 酸化鉄および酸化マンガンをオートクレーブ中240度でナトリウムアミドと反応させることによる窒化鉄および窒化マンガンの合成に成功した。この方法は既報の酸化物の窒化法よりも、有毒ガスであるアンモニアの使用量の低減、容易な反応制御、反応温度の低下といった特徴がある。この低温窒化における熱力学的な駆動力は水酸化ナトリウムの生成であることが予測され、他の熱力学に不安定な相の合成への可能性が示唆された。合成した窒化物は酸化物の形態を保つことがわかった。 また、ナトリウムアミドと酸化物からの窒化インジウムの生成において、ポリテトラフルオロエチレンの添加により反応速度が向上することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、新規低温窒化処理を酸化鉄および酸化マンガンへの拡張に成功し、その熱力学的な駆動力を明らかにすることができた。形態観察により、酸化物の形態を維持したまま低温で窒化がおこなわれたことが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究により、低温窒化は熱力学的に不安定な相の合成にも有効な可能性が示唆された。本年度は研究計画通り、窒化温度と酸化物の種類を変えることで多種の窒化物の合成を試みる。さらに、合成した窒化物の光学特性、磁気特性、触媒能の調査を行い、機能性材料の創出へと発展させる。
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