高温超伝導線材作製において、電流輸送能力を向上させるため第二相物質の柱状欠陥(ナノロッド)が導入されているが、その特性が製造温度に大きく依存することが問題である。そこで、三種類のナノロッド材料を添加した超伝導薄膜を広い成膜温度範囲で作製し、ナノロッド形態(直径、傾き、密度)と電流輸送能力の関係を調べた。また、ナノロッド導入による超伝導転移温度の低下が電流輸送能力に与える影響を調べた。そして、広い製造温度範囲で均一な電流輸送能力を得るためには、二種類の希土類元素を混合した組成の超伝導母相を用いることが有効であることを示した。
|