本研究では,種々の官能基で表面修飾することで,表面エネルギーや表面電荷の異なるチタン表面を作製し,チタンの表面特性と骨形成能との関係を明らかにすることを目指した.COOH基で修飾したチタン表面は,本研究で作製した試料の中で最も高い表面エネルギーと大きいゼータ電位の値を示し,骨形成能の評価のために擬似体液浸漬試験を行った結果,擬似体液に1週間浸漬後,表面に水酸化アパタイトが析出した.したがって,表面電位が負に大きく,表面エネルギーが高い表面において水酸化アパタイトの析出が促進され,ゼータ電位が正に大きく,表面エネルギーが低い表面において水酸化アパタイトの析出が抑制されるという知見を得た.
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