本年度は、金属Snを金属ニッケル多孔体上に担持し、合金化したNiSn多孔体電極を実際にリチウムイオン2次電池の負極材として評価した。 金属ニッケル多孔体はエポキシ樹脂からなるポリマーモノリスを鋳型として作製した。具体的には、このポリマーモノリスにパラジウム触媒担持後、無電解めっきにより金属骨格を形成し、焼成により有機物を除去することで作製した。この金属ニッケル多孔体はシート状として得られ、工業的に使用されているニッケル発泡体よりも2~3桁ほど比表面積が大きいことがわかった。また、この多孔体は通液性もよく電解液が多孔体内部まで浸透できる構造であることもわかった。 つづいて、この多孔体上への活物質の担持は、一般的に知られているピロリン酸系のスズめっき浴を用いた電気めっき法により行った。この電気めっき法では、定電流にて電析を行い、電析時間によって担持量を制御した。電池評価においては、1Mヘキサフルオロリン酸リチウムエチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート電解液を用い、定電流充放電測定およびサイクル試験測定を行った。ここでは、上記のめっき処理時間により活物質の担持量を変化させて、活物質担持量が充放電特性、サイクル特性に及ぼす影響を評価した。
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