将来、発生量の大幅な増加が予想される金属チタンスクラップに注目し、塩化物廃棄物を利用してチタンと塩素を効率良く回収する環境調和型のリサイクル手法の開発を行った。前年度、スクラップ中のチタンの塩化揮発を高効率化するため、酸化還元反応に関与する反応媒体塩を利用した塩化手法を考案するとともに、塩化サマリウムなどを含む溶融塩が反応媒体として機能することを熱力学的解析と基礎的な実験によって確かめた。本年度は、この新手法について、酸素、鉄、アルミニウム、バナジウムなどが不純物として混入した場合の振る舞いを解析した。また、本手法を用いることにより、鉄を多量に含むオフグレードのスポンジチタンや航空機などに使われることの多いTi-6Al-4V合金を効率良く塩化処理できることが確かめられた。
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