新規な多孔性物質として注目される金属有機構造体(MOF)は、規則的な多孔構造を利用して分離膜への応用が期待される。本研究においては、新規に提案した液相対向拡散法を用いてMOF膜の開発を行った。MOFの一種であるZIF-8について、多孔質αアルミナ中空管を用いた膜の作製を行った結果、緻密な分離層を有するZIF-8膜の作製に成功した。ZIF-8膜は、分子径の違いに基づいて分離する分子ふるい効果を示し、特にプロピレンとプロパンは単成分気体透過度において高い選択性が得られた。液相対向拡散法による作製条件の検討による構造制御と、得られた膜の選択透過特性の解析を行った。
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