気液固触媒反応に利用されるトリクルベッド反応器に周期的液供給変動操作を適用した際の成績改善に着目し,同原理に基づいて細管内気液交互流であるテイラーフロー(スラグフロー)を応用した.内壁が多孔質アルミナのアルミニウム管にパラジウムを担持させて構造体触媒(固)とし,水素(気)とα-メチルスチレン(液)を供給してテイラーフローを発生させ,水素化を行った.触媒表面の液膜厚みが周期的に薄くなり,律速段階である気体の液中物質移動が促進され,みかけの反応速度は大幅に増加した.さらに,反応管内部での液膜面積の増加によって成績が向上することがわかった.
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