好熱菌に由来する耐熱性酵素を遺伝子組換え的に生産する大腸菌は、70℃の熱処理に供するのみで、耐熱性酵素のみが活性を有した極めて選択性の高い生体触媒へと変貌する。こうして得られた耐熱性酵素モジュールを任意に組み合わせることで、所望の化学品生産に特化したin vitro代謝経路の構築が可能となる。本研究では本手法を用いて一部の超好熱菌が有するEntner-Doudoroff解糖経路のin vitro構築を行った。その結果、8種の耐熱性酵素を組み合わせることで、グルコースより100%の収率で乳酸を生産することに成功した。またこれら8種の耐熱性酵素を単一の大腸菌内で生産させる技術の開発にも成功した。
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