優良酵母の育種に用いられる交雑法では、2種類の親株からa型とα型酵母を製造する必要がある。しかしながら同一の親株から派生したa型およびα型酵母が接合する自己倍数化現象が、交雑体の製造効率を著しく低下させることが課題とされる。そこで交雑育種法の発展を目指し、自己倍数化を回避するための酵母の接合抑制技術を考案した。本研究では細胞増殖の際の染色体の複製異常を利用して接合型の変換を行い、同一の親株から派生した酵母間の接合を抑制することにより、各親株からそれぞれa型酵母またはα型酵母を単離する手法を確立した。本技術は産業用酵母にも適用が可能であり、優良酵母株の育種が促進されることが期待される。
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