研究課題
本研究では藻場で定期的かつ広域的な生物調査の実現を目指し,2方向に瞬発動作が可能かつ瞬発動作の出力が調整可能な鰭型推進機構をもつ移動プラットフォームの開発に取り組んだ.昨年度に行った解析により,本機構は2方向ともに搭載しているアクチュエータの4倍以上の出力が得られるが,搭載しているモータの粘性抵抗の影響で得られる出力が減少するということが分かった.モータの粘性抵抗が鰭型推進機構の出力に及ぼす影響を調べるため,モータのバックドライブアビリティを調査した.調査の結果,受動的に動作するモータの回転数はある一定値で飽和し,モータの減速比が大きくなると回転数の最大値が低下することが分かった.提案機構は減速比が大きいモータの方が高い出力を発揮できるため,瞬発動作時のモータの粘性抵抗の影響を取り除く必要がある.本研究では揺動カムと従動節を組み込んだ新しい鰭型関節機構を考案した.従来のカムとワイヤの連結箇所に従動節を組み込み,カムを不連続な揺動カムに変更した.カムを一回転させることでモータと出力リンクの機械的な連結を一時的に開放することで新機構はモータの粘性抵抗が及ぼす影響を理論的にはなくし,高い出力の瞬発動作を実現することが可能である. また,従来機構と同様に新機構はモータをトルク制御することでバネに蓄える力を調節し,瞬発動作時の出力を制御可能である.構造上,従来機構はワイヤをカムで巻き取る必要があったが,新機構はワイヤを巻き取る必要がないため,ワイヤをリンクに変更した.それにより,ワイヤの巻き込み不良で機構自体を故障させる危険性がなくなった.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)
Journal of Robotics and Mechatronics
巻: Vol.24, No.6 ページ: 519-521
ROBOMECH Journal
巻: Vol.1 ページ: 1-6
10.1186/s40648-014-0002-y