研究課題
外部からのエネルギー供給なしに優れた制振効果を生み出すセルフパワード振動制御(SPVC) 装置が提案されているが,制御系設計の既存理論が適用できず,設計難易度が高いという問題点がある.本研究では,構造最適化法を活用し,海洋構造物に対するSPVS装置の最適設計法を構築することを目的とする.前年度は,SPVS装置の制振性能を向上させることを目的とし,数値計算でアクチュエータの最適配置を自動で導出することができる最適設計法を構築し、また,その手法で得られた最適解を,力学,制御工学の観点から再考察することで,SPVC装置の設計理論を検討した.しかし,SPVC装置では,制御過程で圧電素子内において急激に電荷が変化するため,強い衝撃が発生し,その衝撃で新たな振動が励起されることもわかった.本年度はこの衝撃に対し,Shock Response Spectrum (SRS)と呼ばれる衝撃力評価指標を導入し,二次衝撃を緩和可能なSPVC装置の最適設計法を構築した.その結果,SRSを考慮した最適化においては,タワー構造の高さ方向中央部には大型の圧電素子が設置されないことがわかった.そして,それは中央部の圧電素子は,高次の振動を励起しやすく,衝撃力を増しうるためであることがわかった.また,付加水質量を用い,SPVC装置の水中での挙動を考慮した最適設計法を構築した.しかし,付加水質量が最適解に与えた影響は軽微であった.すなわち,静水中においては,陸上での装置設計指針がそのまま適用できることがわかった.今後は,装置試作および水槽での振動試験を行い,構築したSPVC装置の最適設計法の妥当性を実験的にも検証していく.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件)
Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers, Part M: Journal of Engineering for the Maritime Environment
巻: 未定 ページ: 未定
doi:10.1177/1475090214543081
Proceedings of ISOPE 2014
巻: なし ページ: CD-ROM
Proceedings of CJK-OSM8