研究課題
若手研究(B)
(1)TLP型洋上風力発電の構造応答に関する研究を実施した。構造応答を調べるための相似模型は、実機との相似比をSとした場合、曲げ振動の方程式から剛性を表わすパラメータEI(Eはヤング率、Iは微小要素の断面二次モーメント)と慣性力を表わすパラメータrho A(rhoは材料密度、Aは微小要素の断面積)の比をS^3でスケールダウンし、実機の固有周期と模型の固有周期の相似比を等しくした上で、水槽試験を実施した。試験は5MW級の風力発電の1/50模擬したことになる。風単独試験、波浪単独試験、波浪・風共存場試験を実施し、運動変位、加速度とともに、タワー、風車ブレード、テンドンに生じる荷重をひずみゲージにより計測し各構造部材に作用する力を計測し、ブレードの回転による影響を明らかにした。計測の結果、風車ブレードの回転影響による、風車タワーへの曲げ作用が大きいことが分かった。風車回転・風車タワー・浮体・係留のモデル化を行い、風車ブレードの回転による風車タワーへの影響を数値計算によっても明らかにすることが出来た。(2)風力・波力ハイブリッドエネルギー利用に関する検討を行った。洋上風力発電ファームを囲む波力発電用浮体と洋上風力発電を想定し水槽試験を実施し、波力エネルギーを吸収することにより、浮体風車の浮体動揺・構造応答にどのような好影響を及ぼすかについても調査を進めた。さらに、数値計算も実施した。多浮体の波力エネルギー吸収浮体と、洋上風力発電浮体への波浪影響について調査に着手した。
2: おおむね順調に進展している
構造応答に関わる研究は大凡当初の想定通り実施出来ていている。また、波力・風力のハイブリッド利用に関しても、数値計算と水槽試験の実施の順序は予定から変更したが、大凡当初の想定通り実施出来ている。
風力・波力ハイブリッドエネルギー利用に関する研究は、波力発電用浮体の配置や数等のパラメーターを様々に変化させたパラメトリックスタディを実施する。数値計算と水槽試験の結果を検証したが、芳しい結果は得られなかった。恐らくは水槽試験の問題があると考えている。波力発電装置同士の係留方法は難しく、ここの解決を今後練りたいと考えている。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
日本船舶海洋工学会講演会論文集
巻: 16 ページ: 449-452
巻: 16 ページ: 445-448
ASME 2013 32nd International Conference on Ocean, Offshore and Arctic Engineering
巻: OMAE2013-11263 ページ: 10 pages
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巻: OMAE2013-11262 ページ: 9 pages