研究課題/領域番号 |
25820424
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
二瓶 泰範 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00470055)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 浮体式洋上風力 / 波力発電 / ハイブリッド利用 |
研究実績の概要 |
(1)風力・波力ハイブリッドエネルギー利用に関する検討を行った。波力発電用浮体と浮体式洋上風力発電用浮体の複合ファームを想定し、ポテンシャル理論に基づき各発電浮体まわりの流場解析を行った。ポテンシャル流場を解くにあたり、境界要素法によりポテンシャルを求め、流場を明らかにした。波力発電浮体の配置方法は千鳥配置や一列配置等とし、周りの流場に与える影響について調査した。 (2)浮体式洋上風車の実海域試験を実施した。本試験機には直径2.4m程度の水平軸風車、多極ダイレクトドライブ型発電機、風速に応じての風車ブレードピッチコントロールが可能な機構が備わっている。これに加えて電気ケーブルや制御ケーブルが陸上側につながっている。試験に際し、実海域試験場所での風速・風向を計測している。また、風車タワー下部の曲げ、浮体式風車の浮体動揺加速度、発電量等がモニタリング可能となっており、併せて計測した。 試験では、風車のピッチコントロールによって風車タワーに大きな曲げ荷重が働くことを確認した。また、ブレードの破損も生じた。 本試験機を用いて水槽試験においても試験を行った。様々な係留方式を試作し、試験を実施した。中でも、浮体式風車の係留システムのコストダウンという観点から一点係留方式に着目し試作・試験を行った。本システムは係留点においてベアリングが必要となる仕組みだが、ベアリングの選定によっては一点係留システムとしての要求性能を満たせないことが明らかになった。また、その原因について理論的なメカニズムも解析し、要求性能を満たせるよう改良を行い、一点係留システムの開発に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
波力・風力のハイブリッド利用に関しては数値計算を行い、波力発電を浮体式洋上風車近傍に設置することによる影響について明らかにすることが出来た。 浮体式洋上風力の実海域試験を実施し、浮体式洋上風車の問題点を明らかにすることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では平成27年度は多浮体の浮体式洋上風車を係留設置し水槽試験の中で波・風応答を調べる予定であった。 しかしながら、実海域試験を通してブレードの破損や風車ピッチコントロールによる大きなタワーへの曲げ応答が明らかになってきた。 平成27年度は実海域試験の解析等を通して浮体式洋上風車に関するこれら諸現象の解明を進めたい。
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