研究課題
プラズマ輸送の研究では、詳細な分布計測が必要である。本研究は、電子密度分布計測器「デジタルミリ波干渉計」の開発、特に精密精細な電子密度分布計測の実証を目的に、実験室内における柱状の誘電体スラブ(発泡スチロール)を用いた検証実験を進めた。本干渉計は入力するミリ波帯周波数の変化により放射方向が変わることを利用して複数の周波数信号をアンテナに入力し、1対のオフセットパラボラミラー間の計測領域に複数の測定コードを配置する。オフセットパラボラミラー・アンテナの製作および、ミリ波帯へのアップコンバータ回路と市販のマイクロ波帯ベクトルネットワークアナライザを組み合わせて干渉計システムを構築した。この時入力周波数は70-78GHzの601周波数であり、601本の測定コードをミラー間に配置した。柱状プラズマを模擬した均質な柱状発泡スチロールにに対し、発泡スチロール有/無の位相差を各周波数で算出した。周波数は空間の位置に、位相差は発泡スチロールの厚みに対応する。実験結果は、発泡スチロールがある位置に対応する周波数の位相差が大きくなるような妥当なものであった。しかし、各周波数の有限なビーム幅のため、各測定コードのクロストークが大きく、測定形状は実際のものよりぼやけていた。位相差の周波数特性は、各周波数に関して有限幅を持つビームの強度分布と、その強度分布内にある誘電体があることによる位相差分布の積分により決まると考えられる。そこで、各周波数のビーム強度分布を測定した。ビーム幅が無限に狭い場合に得られる矩形の分布で制限されるような誘電率の推定分布を考え、その推定分布から算出されるビーム幅を考慮した位相差分布が、実際に測定されたものとの誤差が最小となるように、推定分布を遺伝的アルゴリズム(GA)を用いたイタレーションにより算出した。推定結果は実際の発泡スチロール柱の形状と良く合致した。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)
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