研究課題
本研究では大型ヘリカル装置LHDならびに直線型装置NAGDIS-IIを使用して、非接触プラズマの形成と非拡散的輸送に関する研究を進展させた。LHDでは多チャンネル計測系の整備を進めることで、トロイダル・ポロイダル方向に分布したダイバータ板上、約460箇所での同時静電揺動計測を実施した。これを用いて、共鳴摂動磁場印加により安定化された非接触プラズマ中の各種異方性を明らかにし、磁力線追跡計算から、異方性と磁気島構造との間に位置依存性があることを確認した。また、3芯電極を備えた高速掃引プローブ計測から、バースト中における内部電場の存在を明らかにし、これは輸送機構がE×Bドリフトであることを示している。H27年度には不純物ガスパフ入射に伴い生じる非接触プラズマ中のトロイダル異方性解析を進め、ガス種依存性やガスパフポートとの位置関係を明らかにした。NAGDIS-IIでは、非接触状態時の電離フロント近傍におけるプラズマ構造ならびに揺動挙動を明らかにするため、径方向・周方向に多チャンネルの電極を埋め込んだ終端板をH27年度に新たに製作した。接触-非接触状態を急速に遷移させた際の静電揺動を高時間分解能計測することで、電離フロント近傍のプラズマ柱中心付近で数キロヘルツ帯の大振幅スパイク揺動を観測した。今後の追実験から、本分割電極による詳細な計測・解析を行う予定である。また、スパイク揺動の理解を深めるため、複数の統計的解析手法(3次の中心モーメント、ウェーブレット変換、プリマルチプライドスペクトラム)を統合した新たな解析手法を開発した。EMC3-EIRENEシミュレーションでは、任意の3次元形状の終端板構造を組み込んだ計算が可能となり、終端板形状に依存して中性粒子分布が変化することを確認した。終端板形状の異なる装置間比較を進めていく上で、重要な計算環境を整えたと考えている。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件) 備考 (2件)
Contributions to Plasma Physics
巻: 印刷中 ページ: In Press
Journal of Nuclear Materials
巻: 463 ページ: 761-764
10.1016/j.jnucmat.2014.10.059
http://www.ees.nagoya-u.ac.jp/~koukai/purakaku85/
http://hdp.nifs.ac.jp/soken/tanaka/jisseki/jisseki.html