研究課題
重イオンビームプローブ(HIBP)を用いて大型ヘリカル装置(LHD)において、電位の二次元分布計測を行い、実験観測データの解析を行った。今年度は、接線中性粒子ビーム入射時におけるMHD揺動に注目して、解析を進めた。HIBPの電位揺動計測データに関して、S/N比がそれほど良くなかったので、磁気プローブの信号との相関を取ることによって解析を進めた。200kHz周波数帯域において、電位揺動と磁気揺動のデータ間で、充分な大きさの相関が見られた。ショットごとにプローブビームのエネルギーを変えて観測点をスキャンし、磁気プローブの信号を参照信号とすることで、電位揺動の位相の二次元分布を計測することに成功した。実験結果は、m=1ないしm=2の構造を示しており、アルヴェンモードの一種であると考えられ、物理的考察を進めている。また、S/N比の改善のため、イオン源の改良を進めている。今年度の予算で、イオン源本体部、プラズマ放電部とヒートシールドの部分を購入した。この改良は、予算額と大型ヘリカル装置の実験スケジュールの関係で、本課題研究の終了年度までには充分な結果が得られなかったが、引き続き開発研究を継続し、S/N比を高めてプラズマ中の揺動測定、更に乱流輸送の研究に役立てていく予定である。
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Plasma and Fusion Research
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Nuclear Fusion
巻: 55 ページ: 083024
10.1088/0029-5515/55/8/083024