本研究では,ラドン吸入による抗酸化機能の亢進を定量評価するため,ラドン吸入とアスコルビン酸投与による抑制の程度を比較・検討した。スナネズミに,ラドン(2000Bq/m3)吸入を24時間施した。他方,100,300,500 mg/kg体重のアスコルビン酸を腹腔内投与した。その後,定法に従い一過性脳虚血を負荷した。その結果,一過性脳虚血に伴う海馬CA1領域の細胞の損傷は,ラドン吸入やアスコルビン酸投与により抑制した。ラドン吸入による抑制効果は500mg/kg体重アスコルビン酸投与によるそれに相当することもわかった。これは,ラドン吸入による抗酸化機能の亢進が関与していることも示唆できた。
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