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2013 年度 実施状況報告書

大脳基底核内の各経路が運動制御に関わる機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25830022
研究種目

若手研究(B)

研究機関生理学研究所

研究代表者

纐纈 大輔  生理学研究所, 統合生理研究系, 特別協力研究員 (20437289)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード大脳基底核 / 運動制御
研究概要

大脳基底核は運動関連皮質と強い神経連絡を持ち、また大脳基底核の異常によりパーキンソン病やハンチントン舞踏病などの運動障害疾患が引き起こされることから、運動制御に大きな役割を担っていることが分かっている。しかし詳細な運動制御機構については未だ未解明な部分が多い。大脳基底核内には3つの神経連絡経路があり、各経路が運動制御に対して異なる役割を持つことは推測されているが、詳細な機能については未だ明らかになっていない。そこで本研究では、運動皮質からSTNへ投射する神経経路を選択的に破壊し、「ハイパー直接路」の運動制御に関わる機能の解明を目指した。まずSTNにインターロイキン受容体(IL2R)遺伝子を持つ逆行性のウィルス・ベクターを注入し、細胞体へ十分に逆行性輸送された後に、運動皮質にイムノトキシン(IT)を注入した。イムノトキシンはIL2Rに特異的に結合する神経毒で、IL2Rを持つニューロンの細胞死を誘導する。選択的破壊を組織学的に確認した。IL2Rに結合しているGFPの抗体染色行ったところ、運動皮質のIT注入部位でGFP陽性細胞の数が減少していた。また運動皮質のIT注入部位に選択的破壊後に神経トレーサーのBDAを注入したところ、選択的破壊をした場合に、STNで運動皮質からの順行性のラベルが見られなかった。以上の結果は運動皮質からSTNへ投射するニューロンを選択的に除去したことを示すものである。今後は選択的破壊を行った後に、大脳基底核のニューロンの細胞活動を記録し、「ハイパー直接路」の運動制御における機能を明らかにしていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は大脳基底核内の1つの神経連絡経路である「ハイパー直接路」の選択的破壊を目指した。目的とする運動皮質及びSTNを電気生理学的に同定し、それぞれの領野にウィルス・ベクター及びイムノトキシンを正確に注入することが可能であると分かった。そして、選択的破壊を抗体染色法をもちいて、組織学的に確認したところ、運動皮質からSTNへ投射しているニューロンのみを破壊できていることが確認できた。また運動皮質からSTNへ投射するニューロンの選択的破壊後の大脳基底核ニューロンの細胞活動を記録する準備も進めている。以上のように、研究計画に基づき、おおむね順調に目的が達成できている。

今後の研究の推進方策

今後は、運動皮質からSTNへ投射するニューロンを選択的破壊する前後で、大脳基底核ニューロンの細胞活動を記録することを目指す。具体的には大脳基底核の出力部位である淡蒼球内節から細胞活動を記録し、大脳基底核内の運動情報の伝達経路の詳細を調べ、神経連絡経路の1つである「ハイパー直接路」が運動制御に果たす役割を明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Neurophysiological and Anatomical Study of Marmoset Area 3a2013

    • 著者名/発表者名
      Koketsu D, Hatanaka N, Isa T, Nambu A
    • 学会等名
      Neuroscience 2013
    • 発表場所
      サンディエゴ、米国
    • 年月日
      20131109-20131113

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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