ブニナ小体は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病理学的特徴の一つである。本研究では、ブニナ小体を欠くALSの臨床病理像を明らかにすることを目的とし、ALS160剖検例を検討した。ブニナ小体を欠くALSは28例(約17%)であり、下位運動神経系の変性が高度でブニナ小体の観察が不可能な7例、ブニナ小体を欠く以外は通常のALSと区別不能な5例の他、SOD1およびFUS陽性構造を伴う各々8例および2例、SQSTM1遺伝子複合ヘテロ変異を持つ1例、さらに、運動系を含め多系統変性を示す1例、若年成人発症の1例などが含まれていた。ブニナ小体を欠くALSには臨床病理学的に特異な例が含まれることが明らかにされた。
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