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2015 年度 実績報告書

家族性筋萎縮性側索硬化症2型疾患iPS細胞の樹立とALS2疾患モデル細胞の作出

研究課題

研究課題/領域番号 25830040
研究機関東海大学

研究代表者

大友 麻子  東海大学, 医学部, 助教 (50535226)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードALS2 / 筋萎縮性側索硬化症2型 / iPS
研究実績の概要

本研究は、日本国内で初めて同定された2名の家族性筋萎縮性側索硬化症2型(ALS2)患者からiPS細胞株を樹立し、そのiPS細胞株から運動ニューロンを分化誘導することによって、ALS2疾患モデル細胞を作出すること、さらに、その細胞表現型を非患者由来運動ニューロンの細胞表現型と比較することによって、ALS2疾患モデル細胞特異的にみられる機能異常を同定することを目的とする。
本研究では、まずALS2患者2名及び健常者2名の血液サンプルより白血球を単離しiPS細胞株の樹立を試みた。しかし、ALS2患者の白血球からは細胞株が十分に得られなかったため、患者繊維芽細胞より、再度iPS細胞株の樹立を試みた。その結果、患者由来繊維芽細胞から十分数のiPS細胞株の樹立に成功した。それらの細胞株の幹細胞マーカーの発現を確認後、神経幹細胞及び運動ニューロンへと分化誘導した。それらの細胞を用いて、ウエスタンブロッティングによってオートファゴソームマーカーであるLC3の発現量を解析した結果、ALS2患者由来の神経幹細胞において、LC3の存在量が減少していた。一方で、総LC3量のうちの2型LC3の占める割合をウエスタンブロットのシグナル強度より算出した結果、ALS2患者iPS細胞株由来神経幹細胞では増加する傾向がみられた。従って、ALS2患者由来神経幹細胞において、オートファゴソームを介したタンパク質分解経路に変調をきたしている可能性が示された。また、運動ニューロン分化誘導後播種した細胞をSMI-32抗体を用いて染色した結果、ALS2患者由来運動ニューロンにおいてSMI-32のシグナル強度の低下が認められた。現在、これらの背景にある分子メカニズムを明らかにするために、次世代シークエンシングによってALS2患者由来神経幹細胞及び運動ニューロン由来のmRNA発現解析を行い、健常者由来のそれらと比較することによって、ALS2疾患発症に関わるシグナル伝達経路の同定を試みている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The novel ALS2-interacting small G protein Rab17 colocalizes with ALS2 in recycling endosomes.2016

    • 著者名/発表者名
      Suzuka Ono, Asako Otomo, Wakana Onodera, Kai Sato, Shun Mitsui, Mitsunori Fukuda, Shinji Hadano
    • 雑誌名

      Amyotrophic Lateral Sclerosis and Frontotemporal Degeneration

      巻: 16 ページ: 182

    • DOI

      10.3109/21678421.2015.1098815

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Sexually dimorphic expression of Dmrt1 and H2AX in germ stem cells during gonadal development in Xenopus laevis2016

    • 著者名/発表者名
      Kazuko Fujitani, Asako Otomo, Mikako Wada, Nobuhiko Takamatsu and Michihiko Ito
    • 雑誌名

      FEBS Open Bio

      巻: 6 ページ: 276–284

    • DOI

      10.1002/2211-5463.12035

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] The novel ALS2-interacting small G protein Rab17 colocalizes with ALS2 in recycling endosomes.2015

    • 著者名/発表者名
      Suzuka Ono, Asako Otomo, Wakana Onodera, Kai Sato, Shun Mitsui, Mitsunori Fukuda, Shinji Hadano
    • 学会等名
      ALS/FTD
    • 発表場所
      JW Marriott Orlando Grande Lakes (U.S.A)
    • 年月日
      2015-12-11 – 2015-12-13
    • 国際学会
  • [学会発表] マイクロ流体デバイスを用いたALS疾患モデルの確立2015

    • 著者名/発表者名
      荒木良介、大友麻子、横山奨、和田純希、秦野伸二、木村啓志
    • 学会等名
      BMB2015・第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] ALS2疾患原因変異体はALS2複合体構造や細胞内局在を変化させる2015

    • 著者名/発表者名
      佐藤海、平塚結衣、大友麻子、秦野伸二
    • 学会等名
      BMB2015・第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] ALS2及び新規結合低分子量Gタンパク質Rab17はリサイクリングエンドソームに局在する2015

    • 著者名/発表者名
      小野鈴花、大友麻子、福田光則、秦野伸二
    • 学会等名
      BMB2015・第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] Pathogenic mutations in ALS2 alter the oligomeric states of the ALS2 complex and its subcellular localization2015

    • 著者名/発表者名
      佐藤海、 平塚結衣、 鈴木(宇都宮)恭子、 大友麻子、 秦野伸二
    • 学会等名
      第38回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場・神戸国際展示場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-07-28 – 2015-07-31

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公開日: 2017-01-06  

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