本研究では、パーキンソン病 (PD) 発症に繋がる器質的な変化の抽出を目的とし、ヒト疾患特異的iPS細胞技術を用いて、メタボローム解析を中心としたマルチオミクス解析を試みた。本研究では、パーキンソン病患者iPS細胞由来ドパミン神経細胞において、メタボローム解析を行ったところ、種々の代謝経路に変動が認められた。特に、エピジェネティクス制御と関連性の強い代謝物質の産生が亢進していることが明らかとなった。以上の結果より、PD病態においてエネルギー代謝変動に関連したエピゲノム変化が起きている可能性が推察され、新たな病態の理解に繋がると考えられる。
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