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2014 年度 実績報告書

記憶形成における樹状突起発達を制御する新たな因子の探求

研究課題

研究課題/領域番号 25830057
研究機関同志社女子大学

研究代表者

河下 映里  同志社女子大学, 薬学部, 助教 (80509266)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードα2-antiplasmin / 記憶 / 樹状突起
研究実績の概要

本研究では、記憶形成に重要な樹状突起の可塑性におけるα2-antiplasmin (α2AP)の役割とその分子機構を解明することを目的とした。α2AP欠損マウス及び野生型マウスについて、網羅的行動解析を行った結果、α2APがワーキングメモリー、空間記憶、情動記憶、運動学習に関与していることが明らかとなった。また、空間記憶学習過程において、海馬におけるα2APの発現が増大した。これらのことから、α2APが記憶形成において重要な役割を担う可能性が示唆された。一方、海馬由来神経細胞において、外因性α2APが微小管結合タンパク質であるMAP2の発現を誘導し、樹状突起の伸長及び分岐、さらにフィロポディア形成を誘導することを明らかにし、特に成熟した海馬由来神経細胞においては、α2APが樹状突起分岐を誘導することを見出した。また、α2APによる樹状突起の伸長及び分岐にp38 MAPKの活性化が関与していることを明らかにした。さらに、α2AP欠損マウスの海馬由来神経細胞において、スパインのマーカーであるPSD95の発現量が野生型マウス由来神経細胞と比較して低下していた。以上の結果より、α2APは樹状突起の伸長及び分岐やスパインの形成を制御し、記憶形成機構に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Altered behavior in mice with deletion of the alpha2-antiplasmin gene.2014

    • 著者名/発表者名
      Kawashita E, Kanno Y, Ikeda K, Kuretake H, Matsuo O, Matsuno H.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 9 (5) ページ: e97947

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0097947.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 脳老化におけるα2-antiplasmin及びplasminogen/plasminの関与2015

    • 著者名/発表者名
      池田夏菜子、河下映里、菅野陽介、呉竹宏美、土田佳穂、松尾理
    • 学会等名
      日本薬学会 第135年会
    • 発表場所
      兵庫医療大学、神戸
    • 年月日
      2015-03-27
  • [学会発表] α2-antiplasminの記憶形成及び加齢性認知症への関与2014

    • 著者名/発表者名
      池田夏菜子、菅野陽介、呉竹宏美、河下映里
    • 学会等名
      第64回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      京都薬科大学、京都
    • 年月日
      2014-10-11
  • [学会発表] 中枢神経機能におけるα2-antiplasminの役割2014

    • 著者名/発表者名
      河下映里
    • 学会等名
      生体機能と創薬シンポジウム
    • 発表場所
      近畿大学、大阪
    • 年月日
      2014-08-29
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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