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2013 年度 実施状況報告書

Sox17-GFPトランスジェニックマウスを用いた着床メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 25830060
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

川澄 みゆり  東京医科歯科大学, 実験動物センター, 助教 (50548493)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード着床 / Sox17
研究概要

本研究では、Sox17-GFPノックインマウスを用いて胚が子宮に着床する機序を解析し、胚側および子宮側で発現するSox17が着床にどのように作用するのか、その分子メカニズムを明らかにすることで、胚の着床率の安定と向上を目指すことを目的としている。本研究の特色・独創性は、申請者のグループが単離したSox17がプロゲステロンと相互作用する点に着目し、着床、妊娠の過程におけるSox17の役割の解明を目指す点にある。さらに子宮だけでなく、卵巣、卵管を含めた着床、妊娠維持の機構を明らかにすることでマウスでの体外受精胚の着床率の向上・安定が望める。また着床率の向上と安定はヒト不妊治療への応用も期待でき、臨床的にも意義のある研究であるといえる。
本研究では、Sox17遺伝子座にGFPをノックインしてSox17をノックアウトしたSox17-GFPノックインマウスを用いて、Sox17並びに機能相補が予想されるSox7の着床および胎盤形成における発現パターンの解析、胚の着床前後の組織学的解析、並びに遺伝子解析を進めている。当初予定していたマイクロCTを用いた組織学的解析では着床部分の解析に必要な解像度が得られなかったため、切片による着床関連遺伝子の組織化学的解析を生体内の着床前後胚を用いて実施した。また、Sox17-GFPノックインマウスではメスの産仔数が減少する傾向にあり、その原因は排卵および受精ではなく着床の過程にある可能性が高いことを見いだした。今後、Sox17の子宮での着床時の機能を解析するため、子宮特異的にSox17およびSox7を欠損するコンディショナルノックアウトマウスの作成を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度に実施を予定していた研究計画である、①組織化学的な解析を用いたマウス着床機序とSox17およびSox7の発現パターンの解析、②体内(in vivo)着床と着床モデルを利用したin vitro着床の比較、③細胞極性におけるSox17の役割の解析、④卵巣結紮マウスを用いた排卵と着床の関係およびSox17の役割の解析、⑤Sox17ノックアウト、Sox7ノックダウン胚における着床の表現型の解析、のうち①、④についておおむね計画通りに実施できている。③についてはマウスを作成でき、解析に進む段階である。②⑤については解析方法の変更を検討し、卵管・子宮でのSox17、Sox7の機能を解析するため子宮特異的にSox17およびSox7をノックアウトするマウスの作成を進めている。

今後の研究の推進方策

平成25年度までに、Sox17-GFPノックインマウスではメスの産仔数が減少する傾向にあり、その原因は排卵および受精ではなく着床の過程にある可能性が高いことを見いだした。
平成26年度は、Sox17を胚の栄養外胚葉のみで欠損するマウスを作成し、その表現型を解析する予定であった。しかしSox17-GFPノックインマウスにおいてメスの産仔数が減少する原因は胚ではなく子宮側である可能性が示唆されたため、より詳細にSox17の着床時の子宮側での機能を解明するため、予定していた栄養外胚葉でのSox17欠損マウスではなく、プロゲステロン受容体Creマウスを用いて子宮特異的にSox17を欠損するマウスを作成し、解析を進めることとした。Sox17の機能相補が予想されるSox7も同時に欠損するマウスの作成も進め、解析を行う予定である。
また当初予定していたマイクロCTによる着床部位の解析では、解析に必要十分な解像度が得られなかったことから切片による組織化学的な解析を行っているが、同時に透明化処理を用いた子宮と胚の可視化による解析も取り入れる予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初予定していた胚の栄養外胚葉特異的Sox17欠損マウスから、子宮特異的Sox17欠損マウスの作成に計画を変更した。子宮特異的Sox17欠損マウスを作成するために必要なプロゲステロン受容体CreマウスをThe Jackson Laboratoryから購入する準備を進めていたが、2013年11月の販売開始であった予定が2014年2月まで延期となってしまい、購入手続きを含めると平成25年度内に入手することが困難であったため、次年度に繰り越しを行った。
プロゲステロン受容体Creマウスを用いて子宮特異的Sox17欠損マウスを作成し、子宮における胚の着床時にSox17がそのように機能しているのか、より詳細に解析を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Sox17-GFPトランスジェニックマウスを用いた着床機能の解析2013

    • 著者名/発表者名
      川澄みゆり
    • 学会等名
      第60回実験動物学会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20130515-20130517
  • [備考] 胚の子宮着床における転写因子Sox17の機能解析

    • URL

      http://www.tmd-cea.jp/eam/research

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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