研究の進捗状況: まず、マウスES 細胞およびiPS 細胞より膵β細胞の樹立を試みた。ES 細胞およびiPS 細胞よりEB(Embryonic Body)を作製後にインスリン産生細胞へ分化させたところ、インスリン抗体で染まったインスリン産生細胞を樹立することに成功した。樹立したインスリン産生細胞のグルコース応答性インスリン分泌機能を検討したところ、グルコース応答性インスリン分泌が確認された。 つぎに、C57BL/6J マウスへStreptozotocin(STZ)を投与することで内在性の膵β細胞を破壊し、高い血糖値を示すマウスの腎臓皮膜内へ樹立したインスリン産生細胞を移植し、血糖値の改善について検討を行った。その結果、移植開始一週間は血糖値が下がり続けたが、その後、徐々に血糖値の上昇が見られた。つまり、移植したインスリン産生細胞が移植マウスの免疫反応により拒絶された可能性が考えられた。 現在、この問題を解決するためにドナーとホスターマウスを同一のマウスで行うことを検討している。
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