研究課題
前年度に引き続き、RFPとUSP7の相互作用領域についてUSP7の欠失変異体を作製し、免疫沈降法を用いて検討した。その結果、USP7のHUBLドメインの1,2を含む約200アミノ酸の領域がこの相互作用に重要であることが判明した。今後さらに相互作用領域の絞り込みが必要と考えられる。前年度の結果からRFPがp53のSUMO化を触媒するE3 ligaseであることが分かってきた。そこで、RFPがp53のどのアミノ酸残基に対してSUMOを付加するのか、p53の点突然変異体を作製して検討した。その結果、既にSUMO化サイトとして報告のあるK386をアルギニンに置換した変異体においてRFP依存的なp53のSUMO化の減弱が認められた。このことから、RFPはp53の386番目のリジン残基をSUMO化しているものと考えられた。がん細胞においてRFPおよびUSP7によるp53の制御がどのような意義を有するのか、がん細胞のUV耐性に着目して検討した。p53野生型およびp53欠失型の大腸がん細胞株HCT116 (WTおよびp53-/-)において、siRNAによりRFPもしくはUSP7をノックダウンし、UV照射後にアポトーシス細胞の計測を行った。その結果、p53 WTの細胞ではRFPないしUSP7のノックダウンによってがん細胞のUVに対する抵抗性の低下が認められた一方、p53 -/-の細胞ではそれらの遺伝子発現の低下はがん細胞のUV抵抗性に影響を与えないことが分かった。この結果は、RFPとUSP7がp53の機能制御を介してがん細胞のストレス抵抗性に影響を与えていることを示している。
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