研究概要 |
申請者は当初の計画通り、まず乳腺特異的Fbxw7コンディショナルノックアウトマウス(CKOマウス)を作製した。現在、このマウスと、乳がんマウスモデルとして確立しているMMTV-Wnt-1トランスジェニックマウスを交配し、Fbxw7を欠損した乳がん細胞を得ようとしているところである。 Fbxw7阻害剤のスクリーニングに関しても当初の計画通り、理化学研究所の渡邉博士らのグループによる、Skp2阻害剤のスクリーニング(Ooi et al., Cancer Sci., 2013)と同様のアプローチを採用して進めている。Skp2はFbxw7と同じくユビキチンリガーゼであるが、彼らはSkp2の基質であるp27をプレートに固定させ、そこに蛍光色素 (monomeric Azami-Green; mAG) とSkp2の融合タンパク質および天然化合物ライブラリーを加え、蛍光強度の変化を調べることにより、Skp2とp27の結合を阻害する化合物のスクリーニングを行っている。申請者はこの方法を応用し、Fbxw7とc-Mycの結合をmAGの蛍光強度の変化により調べる実験系を確立した。さらに、この実験系に天然化合物を加え、mAGの蛍光強度を減弱させる (= Fbxw7とc-Mycの結合を阻害する) ような化合物のスクリーニングを行った。
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