本研究では、新たに樹立した低酸素耐性株と独自のin vitroモデル系およびin vivoモデル系を用いた「がん微小環境におけるエクソソームを介した細胞間コミュニケーション機序の解明」を目的とした。初年度は低酸素環境に曝された腫瘍細胞から放出されるエクソソームの変化をmiRNAアレイにて解析した。最終年度は、得られたmiRNAプロファイリング結果をもとに低酸素環境において血管新生を誘導するエクソソーム含有miRNAを同定した。新たに樹立した低酸素耐性亜株由来のエクソソームは血管内皮細胞の管腔形成能をin vitroで亢進し、ヌードマウス皮下に移植したマトリゲル内でも血管新生が確認された。
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