スキルス胃がんの進展に関与するチロシンリン酸化タンパク質を新規に同定することを目標に実験を進めた。当初は胃がんと周辺細胞との共培養によるリン酸化タンパク質を探索したが検出することができなかった。そこでびまん性胃がんでの遺伝子増幅が高頻度に認められているFGFR2とMetに着目し、下流のリン酸化標的タンパク質を探索した。抗受容体抗体と抗リン酸化抗体で段階的に精製したタンパク質を質量分析法で解析した結果、各々の細胞株から約200の候補タンパク質を同定した。検出スコアや細胞株間比較から絞り込んだ候補タンパク質は、スキルス胃がんの増殖や運動に深く関与していることが明らかになった。
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