癌を対象とした外科手術において癌細胞の遺残のない手術が必要である。現在、癌の遺残の有無を確認する一般的な方法は術中迅速病理診断であるが、医療者の人的負担などの問題がある。我々はgGlu-HMRGを乳腺組織に滴下し、その蛍光強度を測定することで腫瘍性病変の可視化を試みた。本研究において、乳房部分切除5例、7検体に対して、断端中に悪性病変を含む4検体の悪性病変を全て捉えることに成功した。また、乳癌手術で摘出したリンパ節に対して、リンパ節転移診断を検討したところ、感度97%、特異度79%で転移リンパ節を認識可能であった。本蛍光法にて腫瘍性病変の迅速な診断が可能となり、負担軽減につながると期待される。
|