研究概要 |
パクリタキセルへの耐性を示す肺癌細胞株におい て,耐性に関与するパクリタキセル関連タンパク質 (paclitaxel resistance-associated protein)がを同定し,肺癌臨床検体における薬剤感受性を規定する因子を見出 すことを目標とする.このタンパク質の候補を選出し, 肺癌細胞株におけるノックアウトおよび強制発現実験を行い,耐性機構の制御に関与する因子となりうることを明らかにしたい. 当初の目的では,上記を25年度の目標とした.まず最初にFGビーズから作成したパクリタキセル固定化ビーズを用いてパクリタキセル結合タンパク質を回収して感受性株と耐性株との間で発現に差があるタンパク質を切り出し,それをLC-MS/MS 解析に供することとしていたが,数回の実験で得られる(銀染色で回収できる)タンパク量が少なく,なかなか満足の得られる収量を得られなかった.このため,電気泳動の条件検討や,ビーズと細胞溶解液との反応時間などの検討に時間を要しているため,特定のタンパク質の分離,精製まで至っていない状態である.パクリタキセル固定化ビーズの品質や,それ以外の反応条件についてもまだ,検討を必要とする段階であるため,25年度は当初想定していたような成果は得られていない.再現性を持ったタンパク質を検出することが本研究の最重要点であるために,次年度に確実なタンパク回収の方法を確立させて次のステップに進みたいと考えている.
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