• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

肝癌に対する樹状細胞ワクチン療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25830112
研究機関金沢大学

研究代表者

北原 征明  金沢大学, 大学病院, 特任助教 (70632660)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード樹状細胞 / 肝癌 / ヒトテロメラーゼ逆転写酵素
研究実績の概要

C型肝炎関連肝癌患者および健常者の末梢血単核球より樹状細胞(以下DC)の誘導を行い,その特徴と機能解析を行った結果の論文発表を行った.
上記と並行し我々がこれまでに臨床試験で用いてきた,hTERT-461(ヒトテロメラーゼ逆転写酵素由来ペプチド)に関し,このmRNAを健常者の末梢血単核球から誘導したDCに導入し,抗腫瘍免疫応答の評価を行った.まずペプチド産生能の高いmRNA配列の決定と化学合成を行い,精製後90%以上と高純度のRNAを得ることができた.その後,DCへのmRNA導入条件の最適化を行うため,エレクトロポレーション(以下EP)の条件検討を行い,最適な条件を決定した.次ぎに,化学合成mRNAをEPにて導入したDCとhTERT-461ペプチド添加刺激を行ったDCとの比較を,表面マーカーの発現量を中心に比較した.結果,mRNAをEP導入する方法は、ペプチド添加を用いる方法と比較して免疫賦活活性で有利である可能性が示唆された.現在,CTLアッセイを用いてがん抗原(hTERT-461)特異的な細胞障害性の比較を行っている.
これらの結果を用いて,肝癌の根治的治療であるラジオ波焼灼療法(以下RFA)後の再発予防を目的としたDCワクチン療法の臨床試験の計画を進めている.具体的には,我々はこれまでに肝癌に対するRFAが宿主の抗腫瘍免疫を増強させることを見出しており,RFA前後でがん抗原(hTERT-461)に対する免疫反応がどのように変化するかを確認し,今回の治療のバイオマーカーとなる可能性を検討している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

対象疾患である肝癌に関して,HCV関連の結果は得られた(論文発表まで)ものの,HBVおよび非B非C関連については実施できていない.
また遺伝子導入やペプチド添加刺激を行ったDCのがん抗原(hTERT-461)特異的な免疫反応の評価(主にCTLアッセイ)に関して時間がかかっている.

今後の研究の推進方策

「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」の改定に伴い,今回の研究にて得られた結果を用いた臨床試験の実施が遅れる可能性がある.具体的には,当院に認定再生医療等委員会が存在しないため,外部機関での審査を依頼する運びとなる.
限られた時間で計画を実行するため,HCV関連の肝癌患者のみを対象として研究を進める可能性がある.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Efficient generation of highly immunocompetent dendritic cells from peripheral blood of patients with hepatitis C virus-related hepatocellular carcinoma2014

    • 著者名/発表者名
      Kitahara, M. Mizukoshi, E. Nakamoto, Y. Mukaida, N. Matsushima, K. Kaneko, S.
    • 雑誌名

      Int Immunopharmacol

      巻: 21(2) ページ: 346-53

    • DOI

      10.1016/j.intimp.2014.05.023

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi