良好な臨床効果にはWT1特異的エフェクターメモリー(EM)-CTLが関与すると考えられる。しかし、強い抗腫瘍効果をもたらすWT1特異的EM-CTLは同定されていないため、誘導することが難しい。そこで、まずこのようなCTLを同定するために、96種類の遺伝子発現量をsingle cell levelで解析できる実験系を確立した。その結果、遺伝子発現量によってWT1特異的EM-CTLが“activated”と“quiescent”の2群に分かれることが明らかとなった。今後、これら2群の生理的意味づけを行うことで、強い抗腫瘍効果をもたらすCTLを効率よく誘導する新しい癌免疫療法の開発が期待される。
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