本研究では、制御性 T 細胞(Treg)の腫瘍局所の集積阻害による免疫抑制解除についての研究を行った。先行研究から、腫瘍局所では IL-6、IL-8が強く産生されること、CD4陽性T細胞をIL-6存在下で培養すると、Foxp3 陽性TregにおいてIL-8 レセプターA(CXCR1)が非常に強く発現することがわかっている。以上のことは、腫瘍局所では両サイトカインによりTregが集積すること、および両因子を制御することで免疫抑制が解除できることを示唆するものである。本研究課題では、IL-8 の走化性を制御するペプチドを用いた Treg遊走阻害が免疫抑制解除につながるかどうか検討した。
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