非小細胞肺癌における、EGFR特異的チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)を用いた抗腫瘍免疫応答増強を検討した。EGFR変異を持つ非小細胞肺癌は、免疫抑制性分子を産生し、樹状細胞(DC)を抑制するが、EGFR-TKIを癌細胞に作用させると、その機能は回復した。さらにEGFR-TKIは、直接DCに作用し機能を増強させることも分かった。担癌マウスでは、EGFR-TKI投与は、腫瘍抗原特異的T細胞応答を増強し、免疫療法の効果を増強させた。EGFR-TKIはがん細胞からの免疫抑制性分子の産生を抑制する事、免疫担当細胞に直接機能増強作用を及ぼす事の二点で、抗腫瘍免疫応答を増強すると考えられた。
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