研究課題
平成25年度における目標は完了し、平成26年度到達目標は以下のとおり設定した。(4)DT3C 組み換えタンパク質の大量調製:山口ら(Yamaguchi et. al., 2015)が従来行っていた複数カラムを利用する精製法よりも簡便に、one-stepにて大量調製する方法を確立した。約5mg/Lの収率により精製することが可能となった。同様に抗体も大量調製を行った。(5)イムノトキシン NS66:DT3C によるA375 に対するin vitro 殺癌効果:DT3C:NS66複合体はin vitroではIC50を約10nMの強い活性を示した。またIL13Ra2陰性のSKMEL28細胞には殺細胞効果を示さない。(6)A375 メラノーマ担癌マウスに対するNS66:DT3C イムノトキシンによる治療実験:予備的な実験として昨年度にDT3C:NS66治療実験において統計的に優位な抗腫瘍効果は見出せていなかった。そこでIL13Ra2の造腫瘍性を司る必要十分性を詳細に検討する目的で、IL13Ra2をノックダウンしたA375細胞株、IL13Ra2陰性細胞に強制発現した機能昂進型細胞株を樹立し、移植したところ、IL13Ra2依存的な造腫瘍性を呈することを示した。また樹立したKH7B9抗体を用いてTissue microarrayを行ったところIL13Ra2陽性のメラノーマ患者が存在することを明らかにした。研究期間全体を通じて実施した研究の成果の概要: 治療ツールとしては(a) DT3C:NS66をクロスリンク複合体、(b) NS66抗体遺伝子を増幅したDTscFv(NS66)組換えトキシン、(c) サポリン結合型抗マウス二次抗体Mouse-ZAPを購入して治療実験を進めつつある。量ならびに投与間隔の最適化が必要であると考えられる。以上の成果の一部については、生化学会大会および国際学会において発表を行った。投稿準備中にある。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)
micromachines
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