一部のシアノバクテリアは、緑色光と赤色光に応答して光合成のアンテナ色素タンパク質(フィコシアニンとフィコエリスリン)の組成を調節する「補色順化」と呼ばれる能力を持つ。本研究では、(1)次世代シークエンサーを用いて多検体のシアノバクテリアのゲノムを効率よく解析するパイプラインの構築、(2)そのパイプラインを用いた20種の補色順化種のゲノム解析、(3)特徴的な補色順化能を持つ種のRNA-Seq解析とアンテナ色素タンパク質の単離と分光解析、を行った。これらの成果は、補色順化の分子機構の多様性の実態の解明を大きく推進すると共に、今後のシアノバクテリアのゲノム研究の礎となるものである。
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