染色分体早期解離 (PCS) 症候群は,染色体異数性と高発がん性を特徴とする希少な常染色体劣性遺伝病である.本疾患の原因の一つはBUBR1タンパク質の機能低下である.我々は日本人PCS患者家系において,本疾患発症と極めて相関の高い一塩基置換を,BUBR1遺伝子上流44kbの位置に見出した.本塩基置換が疾患の原因か否かを調べるために,TALENを利用した一塩基置換法を確立し,ヒト培養細胞に本塩基置換を導入した.一塩基置換導入細胞において,PCS症候群患者細胞に特有な形質が認められたことから,本置換が疾患の原因変異であることが強く示唆された.
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