ニホンウナギの天然加入個体と放流個体とを識別する手法を開発した。 4県20経営体に対する調査により、養殖場における飼育水が一般的に28℃から30℃の淡水であることが確認され、天然加入個体と養殖場から購入・放流される個体とでは、耳石の酸素・炭素安定同位体比が異なると予測された。 天然加入個体106個体と養殖個体314個体を入手し、耳石安定同位体比を比較した。非線形判別モデルにより判別分析を行ったところ、教師データの判別率は98.6%であった。天然加入が途絶えていると報告されている福井県三方湖で捕獲された20個体に、判別モデルを適用したところ、90%に養殖場の経験がある(放流個体である)と判別された。
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