2011年の津波後に残存した森林の再生に資するために, 2010年10月と2011年11月の衛星データから土地被覆分類図を作成し,空中写真と現地調査から浸水域に残存した森林の分布図と残存林に生育する木本種リストを作成した.土地被覆分類図によって海岸林の約9 割が津波で倒壊したと推定された.大面積の残存林の多くが海岸林に由来し,クロマツやカスミザクラ,コナラなどが確認された.残存林を構成する樹種はその履歴に応じて異なるのみならず,津波後に定着した実生には林冠層に出現しない種も出現したことから,残存林の履歴や面積などの要因が津波後の種組成に影響していると考えられた.
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