活性酸素種による酸化ストレスなどから細胞を保護する転写因子Nrf2は、炎症の抑制にも重要であることが知られている。私達はその分子機構を明らかにするため、炎症応答におけるNrf2標的遺伝子の同定を行った。マイクロアレイ解析およびChIP-seq解析により、Nrf2活性化マクロファージではIl6、Il1b、Il1aなどの炎症性サイトカイン遺伝子の近傍にNrf2が結合し、発現を抑制することが明らかになった。これらの結果から、従来考えられていた活性酸素種の消去による炎症制御モデルと異なり、Nrf2が炎症性サイトカイン遺伝子の発現を直接に抑制するという新規の炎症制御メカニズムが働いていることが示された。
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