酸化ストレスからのゲノムDNA保護は、細胞生命の維持にとって重要である。ヒトに共生または感染する細菌にとって、免疫細胞や呼吸などによって生じる酸化ストレスから、自身を守ることに繋がる。本研究では、細菌の核様体(ゲノムDNA・タンパク質などの複合体)中に存在する抗酸化ストレスタンパク質に着目し、ゲノムDNA保護の具体的な仕組みを調べた。10種類程度の抗酸化ストレスタンパク質を対象とした細菌遺伝学的を用いた一連の研究のうち、特にヒト日和見感染体である黄色ブドウ球菌Dpsタンパク質が、ゲノム上への装備では不十分で、酸化ストレス発生を阻止する機能が必須であることなどを明らかにした。
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